https://img.topics.smt.news.goo.ne.jp/cpimg/www.tnc.co.jp/data/news_data/data/2792201.jpg?v=1762513287
多くの人にとって日常の足である、便利な鉄道。一方、珍しい車両の様子を写真に収めたいというファンも多く存在します。
そんな中、福岡市地下鉄がX(旧Twitter)に「危険な撮影行があった」と投稿し、「公式が注意喚起って相当」「理解できない」と大きな話題になっています。
■ホームドアから乗り出して撮影する行が発生
2025年10月24日、福岡市地下鉄の祇園駅で、ホームドアから線路側へ乗り出して撮影する行が発生しました。
福岡市地下鉄の公式X(旧Twitter)アカウント(@Chikamaru_info)が11月7日に投稿した写真には、ホームドアから線路側に大きく身を乗り出し、腕を伸ばして、「試運転」と表示された列車を撮影する人物の姿が写っています。
運転士が警笛を鳴らし非常ブレーキをかけたにもかかわらず、撮影者は数秒間撮影を継続しており、大変危険な状態だったといいます。
「試運転」とは、新しい車両や点検後の車両などが、本格的な営業運転を始める前に安全性や性能を確認するために行う走行のことです。鉄道ファンの間では珍しい表示として人気があり、撮影したいというファンも。しかし、そのために危険な行に及ぶことは決して許されるものではありません。
福岡市地下鉄も、このような行に対し「絶対にやめて下さい!」と強く訴えかけています。
■1年前にも同様の警告が
実は、福岡市地下鉄がこのような危険な撮影行を注意するのは、これが初めてのケースではありません。
2024年11月、公式Xアカウントにて、西新駅のホームドアから線路側へ乗り出して撮影する行が発生したことを報告しています。このときも運転士が警笛を鳴らしましたが、撮影者は後退することなく撮影を継続しており、大変危険な状態だったとのこと。
公式Xアカウントは「今後、公式Xにて同種の警告ポストを行うことがないよう、皆さまのご協力をお願いいたします」と呼びかけていました。
このように強く注意をしていたにもかかわらず、約1年後に再び同様の危険行が発生してしまったのです。
今回の投稿を受けて、SNS上ではさまざまな反応が寄せられています。
「どんな場合でもホームドアから身を乗り出す行はNG」「命に関わる行」「迷惑すぎる」といった批判の声が多く見られました。
また、「なぜ電車が好きなのに、電車の進行を妨げるようなことをするのだろう」という疑問の声も。
一方で、「こういうのを公表してくれるのは助かる」という意見もありました。危険行を広く知らせることで、同様の行を未然に防ぐ効果が期待されます。
さらに、「撮影はもちろん、ホームドアに肘を置いたりもたれかかる行もダメ」という指摘も。ホームドアは安全装置であり、寄りかかったり負荷をかけたりすると、故障や誤作動の原因になることがあります。
福岡市地下鉄の公式Webサイトでは、ホームドアについて以下のような「お客様へのお願い」が記載されています。
・ホームドアにもたれかかったり、物を立てかけたりしないでください。
・手や顔を線路の方に出さないでください。
撮影する際だけでなく、利用する全員が理解しておきたいポイントです。
■他の鉄道会社からも注意喚起
福岡市地下鉄に限らず、試運転列車の撮影をめぐる危険行は、他の鉄道会社でも問題となっています。
小田急電鉄は公式Webサイトで、試運転列車の撮影について次のような注意喚起を掲載しています。
試運転列車では、前面や側面の行先表示に「試運転」を掲出した列車を撮影するため、線路や民家敷地内に侵入した無理な撮影をはじめ、ホーム上で他のお客様のご迷惑となる撮影行を行うなど危険な行が頻発しました。全てのお客様に安心してご利用いただけるよう、ルールを守り事故防止のためにもご協力をお願いいたします。
試運転列車の撮影をめぐる問題は、一部の地域や路線だけの話ではなく、全国的に発生していることがうかがえます。
鉄道撮影は、ルールとマナーを守れば楽しい趣味の一つです。しかし、危険な行や運行の妨げになる行は、自分自身だけでなく鉄道会社や乗客など、多くの人に多大な迷惑をかけることになります。
ホームドアから乗り出す行は、転落事故や列車との接触事故につながる恐れがあり、最悪の場合は命に関わるおそれもあります。また、非常ブレーキがかかることで運行ダイヤが乱れ、多くの利用客に影響を及ぼすことにもなりかねません。
※以下出典先で
