去年の兵庫県知事選で、選挙運動の報酬としてPR会社に金を支払うなどしたとして、公職選挙法違反の疑いで書類送検されていた斎藤元彦知事とPR会社の代表について、神戸地検は11月12日付で不起訴処分としました。
地検は不起訴の理由について、「PR会社に支払われた報酬は、選挙運動の対価とは認められなかった」と説明し、嫌疑不十分と判断したとしています。
去年11月投開票の兵庫県知事選をめぐっては、PR会社の代表が斎藤知事陣営のSNSの運用などについて、「広報全般を任せていただいた」などとインターネット上に投稿。
これに対し、弁護士と大学教授が、公職選挙法で禁じられている「選挙運動の対価としての報酬を支払った疑いがある」として、知事とPR会社の代表を刑事告発していました。
県警は2人を今年6月に書類送検し、7月中旬ごろには神戸地検が斎藤知事を任意で事情聴取していました。
斎藤知事はこれまで取材に対し、「公職選挙法など、適法・適切に対応してきたという認識に変わりはない」と違法性を繰り返し否定していました。
そのほか斎藤知事は、プロ野球の優勝パレードをめぐり、補助金を不必要に増額したとして、片山安孝元副知事とともに刑事告発されていましたが、こちらについても嫌疑不十分で不起訴処分となりました。
他にも12日付けで以下の事件が嫌疑不十分のため不起訴処分となりました。
■斎藤知事が兵庫県赤穂郡から県に贈与された特産品のワインを
自宅に持ち帰り、自分のために費消し、
県に財産上の損害を与えたとして刑事告発された件
■兵庫県知事選に立候補していた稲村和美さんを支持すると表明した
県内22の市長が公職選挙法違反にあたると刑事告発された件
■稲村和美さんを応援するXのアカウントが虚偽の通報により凍結し、
偽計業務妨害にあたると刑事告発された事件
■稲村和美さんを当選させない目的をもって虚偽の情報をSNSに投稿した事件
