東奥日報
クマなどの有害捕獲を担うハンターの狩猟免許を新しく取得する人が青森県内で増えている。県の資料によると、記録が残る1981年度以降、40人台と低水準だった2011、12年度を境に増加に転じ、24年度は285人と約6倍にまで増加した。背景には趣味としての狩猟やジビエ(野生鳥獣肉)への関心の高まりに加え、近年のクマの出没件数(目撃や食害、人身被害)の激増が取得者の心理に影響しているとみられる。
8日、青森市の青森公立大学で開かれた狩猟免許取得者らを対象とした県の大型獣捕獲講習会。狩猟免許を取ったばかりの人からハンター歴50年以上のベテランまで20~70代の約30人が参加した。担当者がクマと遭遇した時は「大声を上げクマを興させない」「うつぶせになり両腕で首、顔、頭を守る」などの対処法や、わなの種類や使い方を解説。参加者は真剣な表情で聞いていた。9日には東北町で猟銃の射撃実習も行われた。
八戸市の男性会社員(32)は、職場近くでクマが出没するなど生活に影響が出ていることから9月に狩猟免許を取得したばかり。「少しでも捕獲に貢献したい。(自分で捕って)ジビエも楽しみたい」と語った。
県自然保護課のまとめによると、県内の狩猟免許新規取得者は12年度以降増え続け、16年度に159人と100人台に到達。その後も100人台で推移し、24年度は200人を超えた。県は本年度から狩猟免許の試験回数を3回から4回に増やし、さらに試験前の講習会の費用や銃などの装備品の購入費用の助成も始めた。こうした取り組みも功を奏し、25年度の新規取得者も200人を超える見通しとなっている。
ただ、ハンターは免許だけでは狩猟はできない。都道府県ごとに狩猟者登録をして狩猟税を納めたり、損害賠償能力を証明したりする条件が課せられている。
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クマ影響?青森県内 狩猟免許取得者増
