就職を目指し活動する女子大学生は結婚の次に想定する仕事と育児の両立が人生の大きな壁と感じる。東京都内の大学3年の学生(21)もその一人。「結婚したいし仕事も続けたい。だが、両立が難しいなら結婚や子どもは諦めざるを得ない」。
別の学生(20)も「フルに働きながら子育てをしたいが収入が減る時短勤務でないと両立できそうにない」と不安をもらす。
子育てへの不安が未婚化に影響している。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が18~34歳の未婚女性に行った2021年の調査では、7割が何らかの形で子どもを持つのが理想とする一方、実際は結婚もせず仕事を続ける「非婚就業」を予想する割合が33%と最も高くなった。
大妻女子大の永瀬伸子教授(労働経済学)は「若い女性は出産や子育てをやり直しのきかないリスクと感じるようになった」と話す。
働く女性が増えたが、出産、育児で無職になり、再就職しても低賃金の非正規就業になりやすい。正社員で育児をする夫婦も夫の長時間労働などで依然として育児・家事が女性に偏る。
内閣府が20~40代の男女に行った国際意識調査(20年度)では、「自国が子育てしやすい国だ」と思う日本人は38%。スウェーデンの97%などと比べて低い。
永瀬教授は「今の雇用慣行では『共働き、共育て』が難しい」とし、「急な残業や転勤が前提の雇用慣行を改善し、育児の余裕がもてる働き方を実現するとともに、出産・育児期の女性の収入不安をなくし、キャリア形成を支援する必要がある」と強調する
日本の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの数)は低下傾向で、24年は1・15と過去最低だ。
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[読売新聞]
2025/11/6(木) 5:00
