元テレビ朝日社員の玉川徹氏(62)が13日、レギュラーコメンテーターを務める同局系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)に生出演。台湾有事を巡る高市早苗首相の発言について私見を述べた。
7日の衆院予算委員会で高市首相は「戦艦を使って武力行使を伴うのであれば、どう考えても存立危機事態になりうる」と答弁。これに対して野党議員からは軌道修正を求める声が上がっている。
玉川氏は「大前提として日本は中国と戦争してはいけないっていう風に私は思ってるんですね。それはもちろん憲法上の理由もありますけれども、やっぱり戦争が始まってしまったら、それはもう絶対に不幸に陥るわけです。国はね。国民は。だから、やってはいけないんですね」と切り出した。
「例えば防衛費の問題も、防衛費を積んで防衛力を上げれば抑止力になるっていう文脈の中でだけ認められると思ってるんですよ。だけど、そうじゃなくて、場合によっては戦争しますよっていうことを言っちゃうとですね。じゃあ、やるんですかっていう話になっちゃうわけですね」と語った。
そして「今まで例えば日本国憲法があって、個別的自衛権の行使はできます。専守防衛ですということをずっと言ってきたんですけど。安倍政権で集団的自衛権の行使は一部できますという風なことを言っちゃったわけですね。こうなると、日本が直接攻撃されていなくても、場合によっては参戦しますということを言ったということなんですよ」と説明した。
「でも安倍政権の時でも、具体的な話はしなかったんです。北朝鮮で有事が起こった時に、じゃあ国民をどう避難させるみたいな。そういう話に留めてたんです。でも、本音で見てるのはここだったはずなんです。台湾有事のはずだった」と推察。「でも、それは言わなかったんです。それはあえて言わなかった。だけど、これ今回ですね。もう踏み込んじゃったんですよ。だから場合によってはその集団的自衛権の行使の対象として、台湾有事があって。その場合は、日本が参戦するっていう風なことを言っちゃったんですよね。これは、国内的にも僕はすごく問題だと思っていて」と持論を展開した。
「それを言っちゃうと、そもそも日本は戦争しないって決めてるわけですから。今、例えば世論調査をやっても9条を変えますかっていう話になると6割ぐらいの人は変えたくないっていうわけですよね。つまり、どんな理由があっても、日本は戦争してはいけないという人が、まだ6割いるんですよ。その中で、場合によっては戦争するっていうことになっちゃうと、日本はじゃあ、これから戦争するんですかと、場合によっては。それも日本は攻撃されてない他国同士の戦争に、日本は戦争で介入するんですかっていう風な疑念をこれで多くの国民が持ったと思うんですね。この発言で。だから、その踏み込んだ意味というのは非常に大きいと思うんです。いいんですか、それで」と指摘した。
存立危機事態とは、他国への攻撃であっても、日本が脅かされ、明白な危機となる事態を意味する。その場合は集団的自衛権の行使は認められる。
